ブローバイガスからマヨネーズ
排ガス規制により、現在のバイクには、エンジンの燃焼室からクランクケースに漏れるガスを再度エアクリーナー側に戻し、新しい空気と一緒に燃やしてしまおうって仕組みが取り付けられています。
この「ブローバイガス」と呼ばれる物に僅かながらエンジンオイルが混ざるので、エアクリ内に溜まったオイルをドレンチューブで受けておくんですね。
普段気にすることの少ない、この循環システムってのがどれだけ凄いかというと、エアクリボックスで最初に受け止めるフィルターを見ていただければわかります。
このマヨネーズみたいな塊のところに目の荒いフィルターが付いていて、そこでクランクケースから上がってきたブローバイガスに含まれるオイルが、水と乳化してこんな事になるんですね。
真ん中あたりにある穴はドレンチューブに繋がるのですが、その手前で関所のように固着しているので流れていきません。
乳化仲間を紹介します
ちょっと目的は違いますが乳化という事では、以前、R25にKTM純正のバックプレッシャーバルブを取り付けた事がありました。
これ、今回と同じように、乳化したオイルにより目詰まりが発生してしまうので定期的に清掃しないといけません。
ですが純正品という安心感と、狭いところに付いているホースという事から、ついメンテナンスを怠たると目詰まり起こし、エンジンにダメージを与えてしまう事からリコールの対象になりました。
取り付けた効果も実感できず、KTMのリコール問題も知ったのでさっさと取り外してしまったのですが、エアクリ内でできたマヨネーズがこんな小さな部品に溜まってしまえば、そりゃ内部のボールの動きも悪くなりますよ。
KTM純正のバックプレッシャーバルブ
写真では写っていないですが、プラスチックのボールを押し戻すためのバネが入っています
ワンウェイバルブについての余談
ちなみにこの取り外したバックプレッシャーバルブは、単純に一方方向にしか空気や液体が流れないので、ブレーキオイル交換時のワンウェイバルブと同じ仕組みです。
ただ、バルブ系が大きく流用できないので、私は、外したKTMをヤフオクで売って、ブレーキメンテナンス用に細いバルブを購入しました。
ブリードスクリュー(ボルト)は6mmが多く、ワンサイズ小さなチューブで差し込めば抜けにくくなるので、片方が細くなっているバルブが多いです。
このバルブ単体でも売っていますが、6mmと5mmのチューブを別々に買うと結局高くつくので、最初からセットされているデイトナの物は便利かなと思います。
ドレンチューブの清掃だけでは解決できないですね、これ
さて、話を戻してエアークリーナの点検なんですが、GSXのユーザーマニュアルでも1年に一度はドレンチューブの清掃を勧めています。
ただ、私の場合はチューブは全く汚れてなく、エアクリボックス内にドバッと溜まっていたので、やはり開けてみない事には状態が分かりません。
大型バイクは、タンクを持ち上げないとエアクリに到達しない事が多いので面倒ですが、1年に1回はチェックされた方が精神的にもよろしいかと。
あと、ネットではチューブが汚れているので交換するってのも多いのですが、汚れていても機能に変わりはないので、お金の無駄ですからパーツクリーナーで清掃するだけで十分かと思います。