失敗は成功の元 DIY整備のオススメ『ブリードスクリューのトルクって気にしていますか?』

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致命傷は、突然起きた

15,000km走ってオイル交換もしたし、そろそろブレーキキャリパーのOHをしたいなと思ってたところなかなか時間が取れずでしたが、すでに消耗品などの準備も整っていたので梅雨の合間の晴れた日に思い切ってやりました。

前回、ブレーキフルードの交換の記事を紹介しましたが、あれはこのキャリパーOHと同時に行った作業で、車体からの取り外しや分解はそれほど難しくもなく、全体の作業時間としては4時間ほどでした。

ユーチューブなどでも手順を説明してくれている方がたくさんいますが、一つの情報だけでなく、色々と調べて自分の頭の中に「仕組み」を理解させればそれほど強敵ではありません。

あと、YZF-R25で言えば、キャリパーを固定しているボルトがT50という、これにしか使うところがない大きさの、しかも星型のトルクスだという点でしょうか。このために無駄な費用がかかるのです。

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うん? 漏れてる? 漏れてるね…

そんなこんなで前後キャリパーのOHも無事終わり、ブレーキチェックのために自宅近くを軽く走り効き具合を確認。よし、OKね。

で、梅田まで用事があったのでバイクで走りながら再チェック。自宅に戻るとフロントのブリードスクリューからフルードが漏れとる? バンジョーボルトはトルク通りに締めているのでスクリューの締め付けが怪しい。

その時、何をとちったのか、「そうだきちんとトルクレンチで締めた方がいいな」なんて急に思い、間違えたトルク値を設定してクルクル回していて「あれ、まだ? そろそろ…」と、何度もボルトを折った経験が心で叫んだのです。

「もう止めろ、止めろ。これは折れるパターンやって、前もそうやったやんか…」 

と次の瞬間、あっ!と思った時にはすでに遅く、ボルトがグニィ〜っと逝く感触を手で感じました。辛うじて止まっているけど確かに折れとる。フルードは漏れていないので、とりあえずは走行できる状態ですがこれはヤバイ。

現在は、サービスマニュアルを購入してますのでこんな事にならなかったかもしれませんが、この時はまだ届いてなかったのです。で、リアは手締めで適当な強さが良かったのでしょうが、フロントは少し緩かったみたいです。

このスクリューのトルクってググってもなかなか見つからなくて、コアなパーツのその値を探す時間が大変ですし、作業をやり出したら調べる余裕もなく、つい適当に締めたのが運の尽き。

この一件があってから後にブリードスクリューのトルクについて紹介してくれている記事を見つけたので皆さんも参考になさってください。

禁断のクルマ実験室 強く締めすぎたらどうなる? | 車検や修理の情報満載グーネットピット
緩むと怖いという強く締めたくなる気持ちをブレーキキャリパーのブリーダープラグで試す

素人では救出できそうにないので、一応、YSPさんに行った

自宅近くのYSPへ行って事情を説明して状態を見てもらったら、「う〜〜〜ん」だけ。

ブリードスクリュー自体には穴が空いているので、ドリルで逆タップ用の穴を開けなくてもいけるけど、細いからかなり難易度が上がる。実際のところやってみないとわからないと言われました。

そうなるとですね、バイクを預けてボルトが救出できなかったらキャリパーごと交換て話。しかもこのキャリパーって純正で3万円ちょいします。それにエア抜き作業とその他諸々の工賃となると、5万はかかるのか?と想像してしまった。

さあ、困った、困った。困った時はヤフオクです。で、検索したら… ありました。モビスターのゴールドキャリパーが。

しかもモビスターは私の年式とほぼ同じ。こいつをもう一度OHして、ピストンは4個の中から一番状態の良いものを使い、今回使用したシールなどを移植したら完璧じゃないですか。

もし、スクリューを救出できれば、OH済みとは言えないけどメンテナンス済みキャリパーって事でヤフオクで売れるかもしれない。

今回、前後キャリパーで7,500円と着払いの送料が1,200円の費用の足しにできるかもと。しかもゴールドですよ。なので即、落札。

数日後、無事に自宅に届いたゴールドキャリパーを点検したら、ピストンの錆も私のキャリパーより少なく、パッドの減り具合を比べて考えても、おそらく10,000km前後の車両から外したのではないかと推測できる良い品物でした。

すぐにこれをOHし、ピストンの錆びも綺麗に落としセッティングOK。いざ、車両に取り付けましたら、かっこいいじゃないの。

リアも交換。

ゴールドに変わっただけで、性能は一緒なのに制動力が上がったような錯覚が起きる… そして、エア抜きも完璧に。なにせ2回も続けてやれば要領なんてわかります。

そしてブレーキ整備で最後にするのは、パーツクリーナを清潔な布に吹き付けたものでディスクを拭いて油分が無いようにしておきましょう。意外と整備中に手で触ってしまっているのでパッドに付く前に除去しておくためです。

で、折れたあいつは今どこに

はい。現在は、折れたブリードスクリューを救出できるかどうか思案中でして、一度、逆タップでチャレンジしたんですけど、タップが折れました。で、スクリューの穴を塞いでおります。こうなると、笑うしかないのです。

最後の手段は、この折れたところにボルトを溶接して、そのボルトが外れずに回ってくれれば可能かもという方法しかありません。

これがDIY整備の恐ろしいところですが、こんな致命傷なアクシデントも楽しいものです。無駄なお金もかかりますが、おかげさまで数日の内に2台ブレーキの整備をしたようなものですから腕も上がります。

ちなみに皆さんも締めすぎないように、ブレーキに関するトルクを記しておきます。

  • フロントブレーキキャリパーボルト 35N-m
  • ブレーキキャリパー側のバンジョーボルト 29N-m
  • ブリードスクリュー フロント・リア共に 6N-m
  • リアキャリパーボルト 23N-m
  • リアバンジョーボルト 29N-m
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