KTM純正『バックプレッシャーバルブ』を、YZF-R25で使うとどうなる?

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KTM バックプレッシャーバルブ

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バックプレッシャーバルブとは?

いわゆる内圧コントロールバルブで、これを装着する事でクランクケースを減圧してエンジンの回転抵抗を低減させ、エンジンブレーキを軽減し、しかも吹け上がりを良くする事ができる、KTMではバックプレッシャーバルブという純正部品になります。

写真を良くみていただくとわかるのですが、左右バルブの吸気側・排気側共に少し削れたような形で真っ直ぐになっているところがあり、ここにスパナやレンチをかければバルブを分解してメンテナンスができます。

ですが、サイズが20mmという中途半端な大きさなので、このサイズのレンチなんて多くの人は持っていないんじゃないかな。

私も持ってなかったので、モンキーレンチとペンチで外したためガリガリと削れてしまいこんな状態になっております。

内圧バルブの先駆けメーカーNAG

NAGはいち早く減圧に注目し、内圧コントロールバルブを開発した事で有名です。

クランクケース内の空気はピストンの上下運動にともなってクランクケース内を動かされます。

ピストン下降時はブリーザー出口から排出され、ピストン上昇時には空気を吸引します。ピストンの上下運動が空気出し入れするポンプのような仕事もおこなっているのです。このポンプ仕事がエンジンにとって抵抗となっているのです。

クランクケース内を減圧し空気密度を低くする事で、この空気の吸引/排出というポンプ仕事の負荷を少なくし、エンジンの抵抗を減らす事ができます。

NAGバルブはワンウェイバルブ構造になっています。クランクケース内の空気を排出し、外からの吸入をおこなわせないことでクランクケース内部の圧力を低く押さえ、エンジンの回転抵抗を減少させます。

レーシングエンジンやドライサンプ機構を持つエンジンでは、吸引ポンプを駆動したり排気背圧を利用し強制的にクランクケース内を減圧していますが、NAGバルブはそのような機構を持たないエンジンにも簡単に装着でき、補助動力を一切用いずに同様の効果が実現出来る製品です。

NAGホームページより引用

これ装着してみたかったのですが、ちょっとお高い。数万円出して、もし、効果がなかったらなんて思うと手が出ないのです。

で、色々とこういったパーツの効果を調べていたらバックプレッシャーバルブの存在を知り、KTM990ccのVツインモデルにも標準装備されているらしいので、一度試してみようと購入したのです。

購入先はヤフオクです。しかも、ヤマハ用にKTM純正パーツを細く削っている物を出品しているこまめな方がいるんですね。かなり前に購入したので金額は忘れましたが、純正部品より1,000円ほど高い5,000円〜だったと思います。

気になるその中身は?

構造自体はワンウェイバルブと単純で、中に入っているボールをバネの力で抑え、一方通行で空気を逃す作りになっています。

ただ、エマルション(オイル成分の乳化)が起きる可能性があるようなので、定期的に清掃する必要があり、私は、オイル交換の際に外してメンテする事にしました。

YZF-R25への取り付け

一番苦労したのが取り付け。ブリーザーホースの直線部分をバルブの長さと同じ分を切り落として装着するだけなんですが… スペースがなさすぎ!

あれこれとホースを購入したり、純正のブリーザーホースを2本使用不可能な状態にしたりと、苦労して取り付けましたが、ホースの曲がりが急すぎて少し不安が残ります。

いさ、効果のほどは?

う〜ん。わからん。恐らく、排気しかできないので内部的には減圧効果は発生しているはずなんですが、差がわかりくい。

というのも、R25に初めて乗った時に「なんじゃ、このエンブレの効き方は?」と驚いたので調べたところ、燃え残った排ガスを再燃焼させるためにAI(エアインジェクション)システムなるものが搭載されていると知りました。

いわば、強制的にバックファイアーを起こさせるような仕組みのためエンジンブレーキが半端ないのです。

ワイディングでカーブが近付いてきた。現在5速。よし、3速で抜けようとブレーキポイントを決めて突っ込んでいき、ここだ!とブレーキを握りながらブリッピングシフトダウンで…

すると、コーナー手前で徐行運転になってしまうほどエンジンブレーキが効くので、もう乗りにくい乗りにくい。

で、AIをキャンセルして乗ってみたら「おぉ〜、昔のバイクじゃ」となり、その後、バックプレッシャーバルブを取り付けたのでエンブレについては変化無しでした。

吹け上がりに関しても、このバイクはブンブン回して楽しいタイプですからその差がわからない。始動性や燃費の向上も装着前と変わらずでしたが、ま、せっかく苦労して付けたからしばらく乗ってみる事に。

3ヶ月後、オイル交換と同時に一度外してバルブ内部をチェックしてみましたが、良く言われる乳化現象も無く、綺麗な状態でした。

ですが、このタイミングで外しました。どうしてもホースの曲がり方が気になって「あそこが抵抗になるよね」なんて思いながら運転するよりは精神的にいいかなと。

それとこの頃に、このバルブを純正品として使用していたKTMが2005年にリコールを出していたとの情報を知ったのも外すきっかけになりました。

結論として

結論から言えば、バルブを装着するならNAGがいいと私は思います。

もう一つ有名なやつでT-REV:寺本自動車商会の減圧バルブもありますが、バルブ長がKTMと同じくらいあるので同じ問題で悩みそうなのです。

あと、取り付け写真を見る限りですが、NAGではバルブからの排出側ホースが短い方がより効果的という説明があるので、R25に限ってですが、同じお金を出すならその辺りもどうかと思っての事です。

現在、外して走行中ですが何も変わりませんので、使用するかどうかは気分的なところもかなりの要因かと思います。

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アイテムYZF-R25
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Tandem 819をフォローする

  1. ヘッドのキヨさん より:

    私も内圧コントロールバルブを付けた一人です(初期のものです)。
    ビックツインですのでエンブレがまろやかになり良い印象を受けましたが劇的に良くなったかとは言えません。
    それと、ブローバイパイプに取付けますので排気油分で内部ピストンの動きが悪くなりますので適時外してパーツクリーナーで清掃しシリコンスプレーでピストンの動きを良くする手入れが必要になります。

    • Tandem 819 タンデム バイク より:

      そうなんですよね。乳化してマヨネーズのようなものができると聞いていたので、私もオイル交換の都度に外して清掃しようと考えて取り付けたのですが、その前に外しました。
      どうしても繋いでいるチューブの曲がり方が不安で、ほぼ同じサイズのNAGさんにも聞いたのですが「大丈夫です」と。
      と言うのも、KTMで効果があれば高価ですがメンテナンスが楽になるNAGを購入しようかと思っていたので確認したのです。
      実際は、いやいや、無理でしょう。クリアランスにむちゃくちゃ無理あります。というのが実感で、購入も断念しました。
      それと、この時期にKTM自体も、このバルブで過去にリコールを出していたのを知りましたので外しました。

  2. 茶がま より:

    R25のブリーザーホースの内径っておいくつでしたでしょうか?そして、コントロールバルブは外径はいくつでしたか?
    自分もつけてみたいと思うので教えてください。

    • Tandem 819 タンデム バイク より:

      手元にある物で計測しました。
      ブリーザーホースの内径は10mm。コントロールバルブの外径は11mmです。
      私は、ヤフオクでKTM純正のバルブを削って出品している人から購入しましたが、純正のままだともっと太いので途中で変換しないといけなくなり、クリアランスのないR25ではきついと思います。

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