サイドスタンドが固着する原因を探る
ある日、サイドスタンドが足で下ろせないほど硬くなりました。同様に上げるのも固すぎて無理。なんじゃこりゃと思って、一度、サイドスタンドをバラしてみたら一部が削れているではないですか。
削れたスタンド
それでもバネを外して上げ下げしてみると、とてもスムーズに動くので、汚れを取ればいけるだろうとパーツクリーナーで清掃後、グリスアップをして組み直して確認したけど、数日でまた筋肉増強マシーンの如く超硬くなって動かない。
削れるといいう事はスタンドの方が分厚いのかと、インドネシア製の品質を疑ってヤスリで削ってやったのです。で、再度、清掃とグリスアップ。これでスムーズに動いていたけど、また数日でゴリゴリになってしまった。
車体側もかなり削れていたので、研磨しました
う〜ん、何が原因なんだろうと考えてみると、おそらく潤滑のためにと調子に乗って吹きかけたシリコンスプレーやオイルスプレーによって埃やゴミが付着し、それが元で固着物ができあがったと思われます。
で、もう一度バラして考えた結果、カラー? これが削れているのか? 新品がないからどの程度差があるかわからないけど、これしか考えられないと、とりあえず部品を発注して交換する事にしました。
カラーのすり減り、0.02mmって製造過程での誤差範囲じゃないのか?
サイドスタンドには、締め付けトルクに左右されずスムーズに作動するために「カラー」という部品がボルトとナットの間に入っています。カラーの外径は、車体側のボルト穴より若干小さく、ボルトと一緒に回る仕組みです。
これが無いと、きつくボルトを締め付けた時は動きが渋くなり、緩く締めるとバイクの振動によってボルトが抜け落ちてしまいます。それを防ぐための部品です。
スタンドに使われているカラー
新品と取り外したカラーを比べてみると、外径はわずか0.02mmの差しかありません。製造過程での誤差範囲?とも思えるけど、内径においては0.07mmの差があります。
通常は、カラーの外径の方がスタンドの動きに合わせてボルトと一緒に動き、磨耗するはずなので何かおかしいけど、原因がわからないのでとりあえず新品に交換しました。
対処方法として
削れた部分を耐水ペーパーで、できるだけ滑らかな表面になるように研磨してからカラーを新品に交換し、車体側の固定穴・カラー・スタンド、この3点が接触する部分をグリスアップしました。
使用したのはエーゼットが発売している「極圧有機モリブデングリス ウレアベース」で、コスパに優れた油性品専門メーカーの物。
その後、物の見事に動きが良くなり、スコーン、スコーンと動くようになりました。
これ、DIYメンテなら一生使えるほどの量ですが、万能グリースなので色々と重宝します
やはり適材適所といいますか、KURE 5-56などと同じで、目的を間違って使ってしまうと後々、大変な事を招いてしまいますね。
こんな事を繰り返してばかりですが、これからも諦めずにスキルアップを目指して、楽しくDIYメンテに取り組みますので、皆さんのご参考になればと思います。