バッテリー上がりの原因は、御三家だけでない『意外な原因』の続き
YZF-R25(2016年モデル)のジェネレータ・レギュレーター・バッテリーを新品に交換してから1ヶ月が過ぎ、電圧の安定と充電電圧の状態を検証・報告するために続きを書いています。
結果としては…「いまいち」です。
確かに、自分で取り付けたアクセサリー用のヒューズの腐食によって抵抗が増し、リレーがおかしくなったヤマハの電源取り出し用ハーネスによって電圧が不安定になっていた事象は収まりました。
ですが、どうも充電電圧が低くく、これの原因が全くわかりません。
状況としては、ジェネレータ・レギュレーターは新品で、同じくバッテリーも新品で南進貿易のスーパーナットを使っています。
前回、台湾ユアサに浮気したんですが、底が薄いというか、厚みがないというか、補充電を行った初期状態からのへたり方がスーパーナットと比べて早く感じたので戻しました。現在は、適度に補充電を受けながらリザーバーとして待機しています。
使用して1ヶ月経っても静的電圧は12.9Vと、なかなかの性能を発揮しています。台湾ユアサ(物によるでしょうが)は、この時点で負けています。
エンジンを始動して電圧が下がった状態から充電が始まりますが、12V→13.6V→13.7V→13.8V→13.9Vときて、14V台まで届かない。エンジンの回転数を上げても13.9Vが限界。
う〜ん。マニュアルでは5000回転事で14.1〜14.9V出ないとレギュレーター交換なんて書いてますが、こんな状態でYSPさんに持っていったら、また交換て事になりかねない。
あと0.2〜0.3V、いやせめて0.1Vでも出てくれたらいいのに、それが叶わない。
まあ、この状態でも充電はされるけど、精神衛生上よろしくないので、原因を探るべく電気関係に無知な私が挑んでみました。
作戦その1 純正ヒューズの交換
電子部品が増えたバイクでも、最近はチューニングヒューズなんて言葉を聞くほどデリケートな部品となってきました。
とあるサイトで「電圧が上がらない!」とコメントしたら、高額なアイスヒューズを使っている方から「1年毎に交換しろと、仲間にアドバイスしている」との話を聞き、なるほどと思い私も交換する事にしました。
アイスヒューズは、超電導実験と近い処理方法 (-196度の液体窒素で凍らせることによって金属の原子の並びを整頓させる方法) で電気の流れをスムーズにすることに成功したヒューズです。
ヒューズ自体もアジアの大量生産品ではなく、純正が採用する銀メッキの同等品(平型タイプはスズメッキ)を用意し、素材も大切であることを忘れていません。
ウェビックさんではR25用として6個セットになった物が販売されています。
確かに、ウンチクを聞くだけで性能は良さそうなんですが、めっちゃ高いです。なので、とりあえずAmazonで台湾製のヒューズセットを購入し、4年以上交換していない純正品と入れ替えました。
交換の際には接点復活剤をこまめにスプレーし、バッテリーのプラス端子から出ているメインヒューズも交換。これで抵抗も減り、満足のいく数値が出るだろう。0.3Vなんて楽勝だ。
いやいや、そんな贅沢を言ってはだめだ。スルスル電気が通るようになっているはずだから0.1Vでいいんだ。と、期待を胸にテスターをセットしエンジンスタート。
アイドリングで13.8V。…⁉︎ 低い… 5000回転まで上げると13.9Vが限界。
はい、終わりました。作戦その1は失敗です。
良かった。あの高いヒューズを買わなくて。購入していれば余計にショックが増すところでした。
作戦その2 漏電を疑ってみる
充電電圧は期待値まで上がらないけど、毎回、確実に充電はされています。時折シートを外して静的な電圧を確認するのですが、12.9Vを維持しているので問題はなし。
じゃ、走行中にジェネレーターで発電した電気がどこかに漏れているのか?と、漏電を疑って暗電流を測ってみる事にしました。
暗電流は、バッテリーのマイナス側の端子配線を外し、そこへテスターの赤い方(+)を繋ぎ、黒い方(−)をバッテリーのマイナス端子に繋ぎます。配線の中にテスターを組んでしまうイメージです。
デジタルテスターなら、端子を逆につけても表示がマイナスになるだけなので問題はありません。ただし、バッテリーの側で行うのでくれぐれもショートさせないよう気をつけましょう。
繋ぎ方は、電気、電子計測器の製造及び販売を行っている「カイセ」さんの関連ページに解説がありますので引用させていただきます。なお、車で解説をしているのでバイクの数値とは違います。
R25を計測すると4mAありました。この数値、サービスマニュアルに適正値が記載されてなくわからないので、後日、ヤマハさんに聞いてみようと思います。
で、テスターを繋いだまま、純正ヒューズをひとつずつ抜き差しをして回路を調べていきます。キーオフの間も設定以外の不要な電気が流れているなら、ヒューズを抜いた時に0mAになり、その回路のどこかで漏電している事になります。
心の中では「もう、これで問題点が見つかるはず」と思っていた私は、全てのヒューズを確認して落胆しました。どこも数値は変わらず、漏電はしていないと思えるからです。
まさに迷宮入りで、作戦その2も撃沈です。
ある日、変化が
ヒューズを交換し、漏電テストを終え、半裸状態のバイクを路上に出してテスターで計測していた時の事。ふと、ジェネレーターを交換してもらったショップの方の言葉を思い出しました。
「ちょっと充電が弱いですね。ハイビームで計測…」ハイビーム? サービスマニュアルにはそのようなやり方は記載されてなく、片目点灯状態でテストしていたので、何気にハイビームでチェックしてみました。
5000回転で13.8〜9Vが限界の時、ハイビームにすると13.6V… 13.5Vと落ちていきます。「だめだこりゃ」と思ってロービームだけにしアクセルを戻した時、回転を上げて発電された電気が後からやってくる感じで14.1Vまで上昇し、すぐにいつもの状態に戻りました。
「14.1V?」 久しぶりやんけぇと思ったのですが、これ何が原因?と、また迷宮入り。
原因がわからないまま用事があったので、R25のカウルとシートを戻して走り出しました。すると、信号待ちで見慣れぬ数値がドーンと。
「14.0V 降臨」
おぉ〜、久しくみていない数値やん。ウィンカーをつけると14.0V ⇄ 13.9Vと、一昔前のバイクのように忙しく変化しますが、御三家を交換してからこんな状態は初めてです。
その日は、エンジン回転を上げるとプラグに電気を持っていかれ13.7Vとかになるのですが、信号待ちで14.0Vに復活。ウィンカーで13.9V。加速すると13.7Vの繰り返しでした。
ですが、上限だった13.9Vを越えたので、ハイビーム切り替えスイッチあたりが腐食していて抵抗が増え、ガチャガチャとやった事でいくぶん通りがよくなったのかもしれない。
と、素人判断を下し、スイッチを分解・清掃・接点復活を行う事にしましたが、これが一筋縄ではいかない話なんですよね…
今日のところはここまでで終わります。
次回は、結構手を焼いた「作戦その3 スイッチを疑え」です。