取り付けててよかった
このようなエンジンスライダー・プロテクター系では安い部類のデイトナ製です。実は立ちゴケをした前日に、届いていたこれを取り付けていて大難を逃れたのです。
乗り出してから5日目。いつものようにUターンをしようとしたら、エンジンが電気のスイッチを切ったように静かに止まり、右側に傾いていた車体は推進力を失いそのまま倒れ込もうとしてきました。
倒すまいと200kgを超える鉄の塊と闘いましたが、エンスト・立ちゴケなんて全く予測していない出来事だったので、ヤバイと思った瞬間にはかなりの角度で支える事になり、そのまま力尽きてゆっくりと地面と接触する事に。
この時バイクは、エンジンプロテクターを支点にして前後タイヤと3点で倒れていて、起こす時にマフラーを少し擦ったようでした。車体の状況を確認してから起こせばよかったのですが、何せ、人生初の立ちゴケなんてするとは思っていなかったので冷静さを失っていました。
ほんの少しリアブレーキをかけただけなのに始動直後だった事もありエンストしたのです。この車両は低速度・低回転がかなり苦手なようで、アイドリング状態でのUターンは注意が必要です。
GSX-S750への取り付け方法
このバイクは登録車両が少ないので、締め付けトルクだのパーツを取り外すなどのカスタムに関する情報がほとんどありません。
なのでサービスマニュアルは必須なんですが、これも出回っているものが少なく、新品は3万円以上しますのでヤフオクなどで手ごろなものを見つけたら購入した方が良いと思います。
で、取り付け方法ですが、この車体フレームとエンジンを固定している「エンジンマウンティングフロントボルト(1)」を抜いてデイトナに付属するボルトで締め付けるだけです。
車体右側は1本しかないのですぐわかりますが、車体左側は前輪に近い右側と同じ位置にあるものを交換します。(黄色い矢印のボルトです)
車体右側
車体左側
取り付け時の注意
純正のボルトを緩める時はレンチとソケットだけでできますが、かなり硬くしまっているのでボルトを舐めないために持ち手の長いスピンナハンドルを使う方が良いと思います。
デイトナを締め付ける時はレンチにジョイントをつないで奥の方のボルトを締める必要があります。この締め付けトルクは、マニュアルでは70N・mとなっていますが、よほど環境の整った工具を持っている場合でないとかなり怖い思いをします。
私の場合、トルクレンチはありますが、エクステンションバーが首振りタイプなので、真っ直ぐ力が加わらず正しいトルクで締め付けるのには無理がありました。今回はこのバーを使いましたが、今後の事を考えてどうせならとKTCの固定タイプを購入しました。
エンジンに対して70N・mというとかなりの強さで締め付けるため、もしオーバートルクをかけてしまってエンジン側にダメージを与えたら取り返しがつきません。
なので、まずは正確なトーニチのトルクレンチで50N・mまで締めて様子をみましたが、力を加えていくとエクステンションバーが揺れてなかなかカチッといかないのです。
その後、アストロツールの安いトルクレンチを70N・mにセットして締めましたが「行き過ぎ?」と思い、カクンとなる前に途中で止めました。おそらく60N・m程度で締まっていると思いますが、これ以上はこの組み合わせでは怖くて無理です。
で、トーニチのトルク調整範囲(N・m):30~140を購入しようか悩んでいます。(う〜ん、欲しいけど今月はお金がない・・・)
エンジンガード ・スライダーは一長一短
今回、取り付けていた事で被害は最小で済みました。ただ、倒れ方にもよりますが、このようなアイテムは車体で吸収する衝撃をピンポイントでエンジンに直接与える可能性もあり、取り付けに関して否定的な意見もあります。
確かに、立ちゴケでよくある「ブレーキ・クラッチレバーが折れた」、「ステップが折れた」という衝撃をプロテクターに与え、その先にあるエンジンがどのようなダメージを受けるのかわかりません。
ただ、今回のようにゆっくりと倒れてという程度なら、パーツ交換にかかる費用と比較してもダメージは少ないと思います。
仮にもっと激しくバイクが道路上を滑走していくほどの転倒をしたら、エンジンがどうのというよりその時点でほぼ廃車だと思うので、どちらが正しいかはオーナーの判断によりますがそれほど高い物でもなく効果は高かったのは事実です。
なので私はGSX乗りの方だけでなく、静かにエンストする直4のネイキッドモデルには必須のアイテムじゃないかと思ったのと、カウル付きの場合はそのパーツで衝撃を吸収してくれるので、転けた時にお金はかかりますが改めてその恩恵を実感した次第です。